特許事務員について
多くの特許事務所には、弁理士のお手伝いをする特許事務員がいます。今回は、普段あまり日の当たらない特許事務員についてご紹介します。
特許事務員の仕事内容
特許事務員の仕事内容は、特許事務所特有のものから一般事務に近いものまで多岐に渡りますが、主な業務は以下の通りです。
- 特許庁への提出書類の作成・提出
- お客様への報告資料作成
- 期限管理
- 外国代理人とのやりとり
- 請求書の発行
- 電話応対・来客対応
この他、事務所によっては弁理士の秘書業務をしたり、備品管理や居室清掃等の総務・雑務的な仕事をしたりすることもあります。このうち、いくつかの代表的な業務についてもう少し詳しくご紹介します。
特許庁への提出書類の作成・提出
特許庁へ提出する書類は、その形式が細かく規定されています。特許事務員は弁理士の指示の下、適切な書面・形式で手続きを行います。方式的な手続きは事務員に任せている事務所も多く、ベテラン事務員になると所内の生き字引となり、誰からも頼られる存在になることもあります。
期限管理
主に特許庁への手続期限の管理を行いますが、お客様への原稿送付期限や外国代理人への回答期限等も管理することもあります。多くの特許事務所では、専用のツールを使って所内で一元管理をしています。
外国代理人とのやりとり
日本のお客様が外国へ出願する場合、または外国のお客様が日本へ出願する場合には、通常その国の代理人と協働して手続きを進めます。双方の弁理士が立てた方針に基づき、主に英語を使って、Eメールやレターでやりとりをします。
特許事務員の極意
期限は絶対!
特許事務所が扱う多くの書類には期限が定められています。中には、手続がたった1日遅れただけで権利を失ってしまうものもあります。これは事務員だけでなく特許事務所全体についても言えることですが、とにかく期限渡過だけはしないように、常に細心の注意を払って作業をしています。
番号には要注意!
特許事務所では、出願番号、登録番号、識別番号、お客様整理番号、事務所整理番号…と、とにかく番号を扱う場面が多いです。番号が1桁違うだけで他の案件と取り違えてしまう事故も起き得ます。手続きをする際には、記載した番号について自分で再確認した後、場合によっては所内でダブルチェック、トリプルチェックをして誤りがないようにしています。
特許事務員として心がけていること
特許事務員は通常、出願や権利の内容について深く関わることはありませんが、事務員のミスによって全てが水の泡になってしまうこともある責任の重い仕事です。このことを常に頭に置いて丁寧な作業を心がけることはもちろん、お客様との窓口として、また所内のサポート役として、まわりのニーズやお困りごとに常に敏感でありたいと思っています。
いつの日か「ここの事務員さんが良いから仕事をお願いしようと思った」「この事務員さんがいるおかげで所内の業務が円滑に進んでいる」と言っていただけるように、日々精進しています。