地域ブランドの保護
地域団体商標制度というのはご存じでしょうか?
地域団体商標制度というのは、「地域名称」+「商品(サービス)の普通名称等」からなる「地域ブランド」を保護することで地域経済の活性化を図ることを目的として導入された制度です。
本来であれば、地域名称+普通名称等からなる商標は、一般的に使用されていて、自他商品等識別力が認められないことから、商標登録が認められていませんでした。
全国的に著名な地域ブランドで登録が認められた例(例えば、夕張メロン)はありますが、そのハードルはかなり高いものでした。
しかし、 地域経済の活性化を図ることを目的で地域団体商標制度が導入され、一定の地域である程度有名であれば、地域団体商標として登録が認められるようになりました。
地域団体商標として登録するには、通常の商標申請とは異なる手続が必要になりますが、本コラムは、どんな登録例があるのかを紹介したいと思います。
地域団体商標の登録例
2022年5月末現在、734件の地域ブランドが地域団体商標として登録されています。
登録例をいくつか挙げてみます。
登録商標(登録番号) | 都道府県 |
---|---|
大間まぐろ (商標登録第5051377号) | 青森県 |
比内地鶏 (商標登録第5052844号) | 秋田県 |
米沢牛 (商標登録第5029824号) | 山形県 |
鬼怒川温泉 (商標登録第5315242号) | 栃木県 |
九谷焼 (商標登録第5027414号 ) | 石川県 |
飛騨牛 (商標登録第5056350号 ) | 岐阜県 |
松阪牛 (商標登録第5056350号 ) | 三重県 |
博多人形 (商標登録第5009422号) | 福岡県 |
上の表に書かれている地域ブランドは皆さんよく知っているものだと思います。
でも、実はそれほど有名でない地域ブランドも、地域団体商標として登録されています。
例えば、下の表は、埼玉県の地域ブランドとして登録されているものですが、見てもらえると解るように、必ずしも皆さんがよく知っている地域ブランドという訳ではないですよね。
登録商標(読み) | 登録番号 |
---|---|
江戸木目込人形(えどきめこみにんぎょう) | 商標登録第5026443号 |
岩槻人形(いわつきにんぎょう) | 商標登録第5028377号 |
草加せんべい(そうかせんべい) | 商標登録第5053366号 |
武州正藍染(ぶしゅうしょうあいぞめ) | 商標登録第5167617号 |
西川材(にしかわざい) | 商標登録第5211704号 |
北本トマトカレー(きたもととまとかれー) | 商標登録第5870183号 |
河越抹茶(かわごえまっちゃ) | 商標登録第6140519号 |
行田足袋(ぎょうだたび) | 商標登録第6479681号 |
このように全国的によく知られている地域ブランドでなくても、一定地域である程度有名であれば、登録される可能性があります。
もし、地域ブランドで町興しなどの地域の活性化をお考えでしたら、地域団体商標制度を利用してみてはいかがでしょうか?